写真撮影はやっぱり楽しい

クライアントワーク(と言ってもほぼ個人仕事)で久しぶりに物撮りをした。

最近は餅は餅屋ということで写真撮影は山の上スタジオの高橋さんにお願いしているのだが、今日の物撮りはお金をお支払いできる案件ではなかったので自分で撮ることにした次第だ。

広告代理店時代はカメラマンにお願いするということはなく、営業が写真を撮ってくるというスタイルの会社だったので、営業で入社した自分もその流れで写真撮影を覚えていった。

最初は折込チラシで使用する切り抜き用の野菜やパッケージ商品の写真などを「とにかく手早く」「切り抜きやすく」撮るという作業をひたすら行った。

その後先輩が担当するホテルの料理撮影に同行することが増え、その現場のアシスタントをしながら見学することで撮影に関する細かなテクニックというものを覚えることが出来た。

最終的には自分で作るホテルのチラシ用写真を自分で撮影するようになり、打ち合わせ→たたき台制作→写真撮影→デザイン制作→打ち合わせという一連の流れを経験できたことは、とても貴重な経験だったとありがたく思う。

その後、写真撮影の面白さを知った自分は、貯金をはたいて初めての一眼レフカメラを購入した。

当時はまだ手ぶれ補正技術が出始めた頃で、ニコン・キャノンの「レンズ内手ぶれ補正」タイプと、ペンタックスの「ボディ手ぶれ補正」タイプの二種類でどちらのカメラにするか夜な夜な悩んでいたことを覚えている。

最終的には、レンズを買い足すことはその当時の給料では難しいと判断し、どんなレンズでも手ぶれ補正が効く「ボディ内手ぶれ補正」を搭載したPENTAX K-10D ダブルズームキットに決定したのだった。

カメラを入手してからというもの毎週末のようにカメラを持ち歩き、花、山、風景、名所やイベント等とにかく写真を撮りまくって一眼レフカメラのぼかしやズームを楽しんだものだ。

仕事でも会社のカメラマンとしてパンフレットのイメージ写真や料理写真を担当し、様々な被写体を撮るための知識や技術を深く学ぶことが出来た。

独立後も当初は自分で撮影を行っていたが、一つは自分のデザインの仕事に集中するためと、カメラマンに依頼することで自分では成しえないクオリティの写真でデザインが出来るということで、自分で撮影することは殆どなくなってしまった。

久しぶりの物撮りは時間はかかったものの、一つ一つの設定を確認しながら基本を思い出し、納得の行く写真を撮ることが出来た。

この写真を見て一人でも心を動かすことが出来れば幸いである。