日頃からテレビやYoutubeのCMを見るように心がけている。CMはその時代の新しい広告戦略やデザインテイストの流れが含まれているものが多い。
今日たまたまテレビを見ていて印象に残ったのが、富士通のスマートフォン「arrows」のテレビCMだ。
山田孝之と小栗旬が刑事役を演じ、なにやら犯人を追いかけているというシリーズCMらしい。調べてみるとちょうど一年前、2017年12月に第一弾「追跡篇」が放送され、第二弾「タレコミ篇」、第三弾「現場篇」、そして今回第四弾となる「捜索篇」と、なにげに長寿シリーズのCMらしい。(ちなみにarrows Tabを使ったCM「似てない刑事篇」はAnother Storyとのこと)
山田孝之演じるボケ役?で新米刑事の「山田刑事(そのまんま)」と小栗旬演じるツッコミ役?でエリート刑事の「小栗刑事(そのまんま)」のテンポの良い駆け引きが心地よい。
CMの概要としては、ヘリコプターで事件現場に向かう山田刑事と小栗刑事、ヘリが飛び立ったかと思ったら突然「そばが食べたい」と山田刑事。「今は無理だ」と小栗刑事がなだめるも「今すぐだ」とどうしてもそばが食べたい山田刑事。続けざまに「arrows出して。検索して。ヘリでいける蕎麦屋検索して!」とわがまま言い放題。
「はぁ?」とぶつくさ言いながらも検索してあげる小栗刑事。優しい先輩だ。
arrowsを取り出して”ヘリで行ける蕎麦屋”と検索。
次の瞬間「あった!あったよ!」と大喜びの小栗刑事。なんかとっても楽しそうだ。
程なくしてヘリコプターは蕎麦屋のヘリポートへ着陸。無事蕎麦にありつけたというCMだ。
ここまでであれば「わざわざCMのために蕎麦屋の隣に広場作って許可とったりで大変だなぁ」で終わるところだが、ここからが一番印象に残ったポイントだ。
富士通のCMが終わり、次に流れたCMが聞き慣れたサウンドロゴのGoogle検索のCM。音声入力で「ヘリで行ける蕎麦屋」と検索したところ、その蕎麦屋が本当に出てきたのだ。しかも地元長野県。
CMの途中にもかかわらず居ても立ってもいられなくなり、iPhoneを取り出してHey!Siri!と検索をしてみたところ
出てこない。
Siriの検索精度が悪いのは噂通りなのであまり当てにはしていなかったのだが、やはりダメだった。続いてGoogleアプリを立ち上げ音声入力で「ヘリで行ける蕎麦屋」と検索。
出てきた!
CMで見たものと同じ画面が出てきたではないか。小栗旬ほどの笑顔は出なかったがつい子供に「まじで出たよ!」と声をかけてしまった。
この「CMに出てきた蕎麦屋が本物である」ということと「音声入力で本当に体験できる」という即効性の高い2つの事実を強く印象に残すことで、双方の話題性とブランド価値を高めることに成功している。
こうなると気になってくるのがCM監督だ。
調べてみたところ富士通のプレスリリースページに制作スタッフが記載されていた。
小栗旬×山田孝之 共演新CM ザ・割れにくいスマホ「arrows」
http://www.fujitsu.com/jp/group/fcnt/resources/news/20181218.html
「割れない刑事(デカ)」シリーズ第四弾
12月18日(火)より放映開始
CD/AD:榎本 卓朗さん CD/C:尾形 真理子さん PL:吉兼 啓介さん と博報堂トップクリエイター3名の名前が記されていた。(榎本さんは2016年に独立しENOADを設立とのこと)
榎本さんは「カロリーメイト」「MATCH」などのヒット広告を連発。尾形さんは「LUMINE」「資生堂」などの広告を手がけ小説も出版。吉兼さんは「オープンハウス」のCMで2018TCC新人賞を受賞している。
一流の人気若手?俳優と一流の制作スタッフという錚々たるメンバーで制作されたこのCM。これからもこのシリーズを楽しみにしていきたい。